来院される方もチームメンバーも業者さんも、そして自分も・・・
皆がそう思ってくれるような歯科医院にしたいと思っています。
平成10年4月に三好プリベント歯科はスタートしました。「プリベント」は「予防する」という意味です。
悪くなってから治すのではなく、お口の健康を守り育てることが歯科医師としての自分の使命と考えプリベントと名付けました。でも最近はちょっと違うかな?と感じています。
「守り育てる」という言葉には医療サイドのほうが立場が上というニュアンスを感じるからです。
「患者さんの健康はオレが守るんだ!」という気持ちの裏には患者さんの健康観は所詮シロウトのもので、
専門家の健康観の方が優れているという考えが根底にあるからです。
「オレの言う通りにしておけば間違いない。白い巨塔」財前教授と患者の会話
「とにかく助かりたければ手術するしかありません」
「は、はい。お願いします・・先生におまかせします。」が典型ですね。
医者の本来の目的は「病気になった人を治すこと」よりも「健康な人を増やすこと」です。
悪くなったら行くところと思っている人々、
悪くなってやってくるのを待ち構えているクモの巣型歯医者という構図
から一刻も早く脱却することが大切だと思います。
将来自分の子供が大人になって親になる頃には、歯医者は「虫歯を治しに行く修理工場」ではなく、ほとんどの人が「すてきなお口を育むエステサロン、メンテナンスセンター」的なイメージを持つような世の中になって欲しいと願っています。
お堅い話を数行ほど。
1986年、WHO(世界保健機関)の国際会議で発表されたオタワ憲章では「ヘルスプロモーションとは、人々が自らの健康をコントロールし、改善できるようにするプロセスである」と定義し、「健康」を生きることの目的ではなく、生活の資源と位置づけています。
健康とはWHO憲章で次のように定義されています。
「健康とは身体的、社会的、精神的にバランスのとれた良好な状態であって、
単に疾病がないとか、虚弱でないということではない」。
みなさんバランスとれていますか?みなさん健康ですか?
「仕事も順調!健康診断もすべて問題なし!でも最近彼女にふられて落ち込んでいるんです。何もする気がおきません。」なんていうのはバランス崩れちゃってますよね。不健康ですね。
目指すものをちょっと変えて「健康」ではなく「幸せ」にしちゃいましょう。
「幸せ」は自分の考え方一つで決まるものです。
「健康」の要素が1つ2つ欠けていたって「自分は世界一の幸せ者だ」と自分が思えれば幸せになれちゃうんですね。他人が決めることではありません。
「仕事も順調!健康診断もすべて問題なし!最近彼女に振られて落ち込んだけれど、今は新しい出会いめざしてワクワクしてます!」なら幸せですね。
屁理屈言ってないでさっさと歯を治せと言われそうですが、医療人としての立ち位置って最も大切だと思うのです。
私は大学で6年間、虫歯の削り方や冠のかぶせ方、入れ歯の作り方などを学びましたが、それはまず虫歯があること、歯が抜けてしまっていることが前提の学問のため、いかに上手く削るか、いかにきれいな歯を作るかといったテクニックに重きが置かれてきたように思います。
私も様々な研修会、セミナーに参加して治療技術を研鑽してきました。
もちろんとても大切なことですが、そこには医療従事者が陥りやすい罠があります。
「人を見ずに病を見る」
一番陥ってはならないことです。